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ブリュートナーの特徴は、弦が3本1組になっているのではなく、4本で1組になっていること。この4本目の弦は、演奏によって弾かれることはありません。では、何のためにあるのでしょうか?答えは、音を共鳴させるためです。この共鳴によって倍音が増幅される仕組みは、アリコートシステムという特許技術によって制作されており、調律の仕方によって様々な効果を得ることができます。
ブリュートナーの音色は、「ロマンティックサウンド」と言われています。これは、木のぬくもりを感じさせる豊かな聞く人の感情にスッと染み渡るような音です。このような音が出せる理由の1つが響板。最も優れた素材の1つとされるスプルースを使用しています。これは、アルプスやウラル山脈の東側にあるとても貴重な材木です。
ブリュートナーの価格は、モデルや艶出しをしてあるかどうかによって金額が大きくことなります。グランドピアノの場合、一番、安いものであれば675万円ほどで、一方、最も高価なものになると1,700万円以上します。これは小売価格ですので、中古になるとこれより安い金額で購入することも可能。中には300万円台で手に入れることもできます。
中古ピアノを購入する上で注意しなければならないのは、響板割れと駒割れの2つ。響板割れは、特定の音を弾いた時に割れ目が振動し、嫌な雑音が発生するケースです。修復するには手間がかかる作業を行わなければならないため、中古のピアノを購入する上で、最低限、チェックしなければならないポイントと言えます。
一方、駒割れは、弦の振動を響板に伝える役割を果たす駒が割れてしまっていることを言います。こちらも響板割れと同様、購入時にきちんと確認しておく必要があります。
イギリスのヴィクトリア女王をはじめ、ドイツやオーストリア、デンマーク、ギリシャなどの皇室に納品されることで知られるブリュートナー。かつては、ブラームス、リスト、チャイコフスキー、ドビュッシー、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフなどの名だたる作曲家や、ブゾーニ、アラウ、ルービンシュタイン、プレトニョフなどのピアニストから高く評価されたことで有名です。中でもドビュッシーは、唯一、自分で購入して愛用していたピアノがブリュートナーで、作曲する時にもよく使用していました。
また、ビートルズの名曲、レット・イット・ビーでポール・マッカートニーが弾いているのもブリュートナー。また、ワールドツアーのチケットが入手困難なことで知られるピアニスト、フジ子・ヘミングもブリュートナーを所有しており、彼女を紹介するNHKのテレビ番組でもブリュートナーを演奏している様子が紹介されました。
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