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ピアノに関しては、一概に新しいものが良いとは言えません。 意外に思われることも多いのですが、中古の方が良いピアノを見つけられる可能性があるのです。
今回は良いピアノによく使用される、木材について解説しています。最後まで記事をお読みいただくと、なぜ中古のピアノに良質なものが見つけられるのかご理解いただけることでしょう。
ピアノの製造には多くの木材が使用されます。良質な木材で作られたピアノは音の響きが良いので、重宝されるのです。ピアノには、3つの木材がよく使用されています。
現在は環境保護の観点から、良質な木材を確保できないケースも。しかし古いピアノには、良質な木材がふんだんに使用されているケースがあります。そのため、新品よりも中古の方が音質の良いピアノを購入できると言われているのです。
ピアノの素材として多く使用されているスプルース。スプルースがピアノ製造に用いられる理由は、主に2つあります。ひとつ目は、音響電波速度が速いことです。
音響電波速度とは、音が伝わる速さのこと。音色の響きに関わりが深い、響板によく使用されています。良質なスプルースが響板に使われているピアノは、音の増幅や響きがより美しく感じられるでしょう。
響板はピアノの音色にとって重要な部分です。弦の振動を増幅して、綺麗に響かせる、音色を左右するパーツです。響板に求められる能力にマッチする性質を持っているのが、スプルースと言えるでしょう。
ふたつ目は比重が少ないこと。弦の振動がスムーズになるので、増幅するロスが少なく済みます。弦は200本以上張られていて複雑ですから、美しい音色を実現させるためにも比重の少ないスプルースが最適です。
カエデはピン板やアクション、駒といった、ピアノの重要な箇所でよく使用されます。 重要なパーツで使われるのは、カエデが硬くて強い木材のためです。
ピン板とは厚みが1cm未満の木材を複数枚用いて、木目の縦横を交互に重ねているものです。ピアノを演奏するときに非常に大きな張力を受け取る場所なので、やはりカエデのような硬くて強い木材が求められます。
アクションは「鍵盤を押すと音が出る」というピアノの仕組みを実現しているパーツで、駒は弦の音を響板へ届ける役割を果たします。
ピアノの重要な部分を任せられるのは、カエデが硬くて丈夫な木材である証と言えるでしょう。
ピアノの製造では、カエデと同じ箇所に使用されることが多いのがブナです。ブナは硬く、それでいて曲げやすい材質です。
高い安定性を誇っている木材であることも、広く知られています。ピン板など大きな力がかかる部位でも、安定してピアノを支えることが可能です。
中古でも良質な木材が多く使用されているピアノを選べば、新品以上のクオリティを期待できるでしょう。ピアノを購入する際は、新品にこだわらず、ぜひ中古のピアノも視野に入れましょう。
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